第89回企画展「エジプト・カイロの大衆文化―1959年のタイムカプセル―」
89th Feature Exhibition
Popular Culture of Modern Egypt in Cairo : Time Capsule from 1959
本展は、当館において初めて開催する現代のアフリカ地域をテーマにした企画展です。1959年(昭和34)にエジプト・カイロで収集した民族資料を展示し、アラブ社会、またイスラーム圏における大衆文化を紹介します。
今から60年ほど前に収集された品々は、あたかもタイムカプセルに封じ込められていたかのように、当時の人々の生活感や息づかいを私たちに伝えてくれます。エキゾチックな中にもノスタルジックな雰囲気が漂うエジプトの生活文化をご覧ください。
◆会期:2022年4月15日(金)~6月6日(月)
◆休館日:4月28日(木)・5月6日(金)・5月10日(火)・5月17日(火)・5月24日(火)・5月31日(火)
◆時間:午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
◆会場:天理大学附属天理参考館 3階企画展示室1・2 【交通アクセス】
◆主催:天理大学附属天理参考館
◆後援:天理市・天理市教育委員会・毎日新聞社・歴史街道推進協議会
◆協力:JICA関西・京都外国語大学国際文化資料館・天理大学附属天理図書館
●出品リスト(ファイル名:p89-list.pdf ファイルサイズ:229KB)
●チラシ(ファイル名:89-chirashi.pdf ファイルサイズ:1.33MB)
●図録 A4版 カラー16ページ 550円
図録の販売についてはこちらをご覧ください。
関連イベント
●記念講演会
「タイムカプセルから紐解くエジプトの暮らし ─イスラームとの関わりから―」
日時:2022年5月27日(金) 午後1時30分から午後2時30分
講師:澤井 真 氏(天理大学おやさと研究所講師)
会場:天理参考館 2階ホール
定員:30名【終了しました】
●トーク・サンコーカン
「タイムカプセルが伝えるもの ―1959年のエジプト・カイロ―」
日時:2022年4月22日(金) 午後1時30分から午後2時30分
講師:梅谷 昭範(当館学芸員)
会場:天理参考館 2階ホール
定員:30名【終了しました】
展示構成
序章:「エジプト」のイメージの源泉
エジプトに対する私たちのイメージは、偉大な古代文明が残した建造物や副葬品に偏りがちです。世界的に見ても極めて早い時代に高度な文明が発達し、ピラミッドに代表される現代の技術でも再現が困難な巨大建造物が多数存在すること。また、そうした遺跡や遺物を貴重な観光資源として、エジプトが官民一体となり現在も活用していることを考えれば、特定のイメージに収斂(しゅうれん)していくのも当然の帰結であろうと思われます。
ここでは近代以降、歴史的な経緯を経て、人々の間に「エジプト」のイメージが伝播(でんぱ)し、共有されていくプロセスにおいて、その源泉となった資料を紹介します。
1959年のタイムカプセル
1959年にエジプトで収集された多種多様な資料をテーマごとに分類し、京都外国語大学国際文化資料館からお借りした当時の貴重な写真を添えて展示します。
「世相」では、この時代に起きていた時事的な問題を各種印刷物や貨幣を通じてとり上げます。「生業」では、ロバやラクダといった家畜を使役する際に使われた器具や、農業、商いなどにまつわる実用的な道具を紹介します。「日常」では、日々の暮らしの中で、当時はありふれたものとして存在した日用品を振り返ります。「服飾」では、エジプトの風土に応じてかたちづくられた服装と、女性が身に付ける各種アクセサリーをご覧いただきます。
「娯楽」では、水煙管、コーヒーを淹(い)れるための道具、テーブルゲーム、玩具などを展示し、余暇の過ごし方を再現します。「信仰」では、イスラームの教えが生活のあらゆる場面に滲透し、人々の行動様式に反映されていることを示す資料を紹介します。
「エジプトのこと教えて!」パネル展
JICA関西の全面的な協力により、エジプトの今の様子を紹介するパネル展示を3階ロビーで行います。「エジプト・カイロの大衆文化」展は今から63年前のエジプトをテーマにしていますので、両方の展示をご覧いただき、エジプトの昔と今を見比べて、お楽しみ下さい。