天理大学創立100周年記念 第98回企画展「絆―ヒトとヒトをつなぐモノ―」
98th Feature Exhibition
Commemorating the 100th Anniversary of Tenri University
Human Bonds: Materials CONNECTing You & Me
私たちは生まれた瞬間から、自分の力だけでなく、数え切れないほど多くの人々に支えられて、大人へと成長していきます。その過程において自分と周囲の人々をつないでいるのは「絆」と呼ぶべきものです。親子、夫婦、友人など、絆のかたちは様々ですが、お互いをかけがえのない存在と認識し、共に支え合う関係性は、人類が今日に至るまで生命のリレーをつなぎ続ける上で根源的な力を生み出してきました。
本年、天理大学は創立100周年を迎え、「CONNECT『つながる』をはじめよう」をコンセプトに、現代社会が直面する様々な課題の解決策として、多様な人々がつながり合い、扶け合う社会の実現を目標に掲げています。本展もその理念を共有するものであり、学内、学外を問わず多くの方々の協力によって、つくりあげることができました。
本展を通じて、目に見ることはできなくても、人々の間に確実に存在する絆について改めて見つめ直し、これからの社会のあり方について考える機会になれば望外の喜びです。
会 期:2025年4月16日(水)~6月2日(月)
休館日:4月22日(火)・28日(月)・30日(水)、5月7日(水)・13日(火)・20日(火)・27日(火)
時 間:午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
入館料:大人500円・団体(20名以上)400円・小中高生300円
※常設展示もご覧いただけます
会 場:天理大学附属天理参考館 3階企画展示室・3階ロビー・1階エントランスホール 【交通アクセス】
主 催:天理大学附属天理参考館
後 援:天理市・天理市教育委員会・歴史街道推進協議会
協 力:JICA関西・天理大学附属天理図書館
関連イベント
●記念講演会
「天理教の人間観とヒトの絆 ―人類の未来と「たすけ合い」―」
2025年4月27日(日) 午後1時30分~3時〔研修室 開場:午後1時〕
講師:岡田 正彦 氏(天理大学教授)
定員:100名(当日先着順)要入館券
●トーク・サンコーカン(学芸員による講演会)
「『絆』を可視化するモノ」
2025年5月16日(金) 午後1時30分~3時〔研修室 開場:午後1時〕
講師:梅谷 昭範(当館学芸員)
定員:100名(当日先着順)要入館券
●Q&Aカフェ
エチオピア産のコーヒーを飲みながら、企画展の様々な疑問について担当学芸員がお答えします。
2025年5月9日(金)午前11時30分~午後2時30分〔2階ホール〕
1杯 275円・先着順60杯 要入館券
●マンデートーク
①2025年4月21日(月)
②2025年6月2日(月)
いずれも午後0時30分~1時20分〔3階企画展示室〕
講師:梅谷 昭範(当館学芸員)要入館券
同時開催
◆「世界のみんなにこんにちは」展(提供:JICA関西)
世界4か国の挨拶と文化をタペストリーで紹介すると共に、クイズラリーも実施します。全問正解者には先着順で素敵なプレゼントも。
会場:3階ロビー
◆写真展「天理大学100年をたどる―キャンパスと学生生活―」(提供:天理大学)
創立100周年を迎えた天理大学の足跡を貴重な写真と映像で振り返ります。
会場:3階ロビー(プロジェクターによる映写)
出品予定資料(一部)
- 人物文様のある編みかご アメリカ合衆国
- オオアリクイの精霊面 ブラジル
- 貝紫染めの巻きスカート メキシコ
第1章 結ばれる絆
人生は出会いの連続である。「袖振り合うも他生の縁」という言葉があるように、道ですれ違う見知らぬ人にも浅からぬ縁があって引き合わされているのだから、ひとつひとつの出会いを大切にすべきだという考え方は古くから認識されている。その中でも人生を共にするパートナーと結ばれる、子を授かるという出来事は、生涯の中でも最大の「出会い」といえるだろう。
この章では、結婚に際して新郎新婦の間で交わされる品々、子の授かり、あるいは子の健やかな成長を願う祈りが込められた品々、古き時代から世界各地で広く見られる母性への崇敬の念を示す品々などを紹介する。
第2章 深まる絆
一旦は結ばれた絆であっても、その関係を良好に保つためには双方の思いやりと歩み寄りが必要である。接触する機会を積極的に設けて、同じ時間を過ごし、語り合うことが互いの気持ちを通わせる手立てとなり、絆が深まっていくのである。そうした場をお膳立てする一助として、同じものを分け合い、楽しみを共有する文化が育まれてきた。また、様々な困難に見舞われている人々に心を寄せ、支援の手を差し伸べる助け合いの輪はこれまで多くの人々を救ってきた。
この章では、社会が発展する上で、人々が様々なコミュニケーションの方法を使って、つながり合ってきたことを、世界各地のモノを通して紹介する。
第3章 受け継がれる絆
人の一生は時間が限られている。人生のうちに学んだ知識や習得した技術を、自分だけのものとせず、口で伝える、文字に記す、絵や造形物で表現するなど、様々な手段を通じて次の世代に伝えることが、社会の発展に貢献してきたことは言うまでもない。過去と未来を切れ目なくつないでいくのは、現在に生きる私たちの役割であり、それはあたかも受け取ったバトンを次から次へ渡していくリレー走のようなものである。
この章では民族集団のアイデンティティの形成に関わるものや、独自文化の継承にまつわる品々などを紹介する。
- 天理参考館この一品
第18回
「ボルネオ・ビーズ玉の衣装や道具」
2分28秒
- 天理参考館この一品
第26回
「グアテマラ・幻の巻きスカート」
2分20秒
- 天理参考館この一品
第38回
「日本・縄文土器と土偶」
2分45秒
参考館セレクションでは当館が収蔵する約30万点の資料の中からセレクトして一部を紹介しています。本展に展示する資料も以下のリンクより詳細をご覧いただけます。資料名をクリックして下さい。
▷小刀 ▷結納用の木雁 ▷遮光器土偶 ▷稲の母への奉納人形“チリー” ▷コーヒーポット ▷オオアリクイの精霊面 ▷托鉢用の容器“カシュクール” ▷ハイランド・ドレス ▷木製ケロ(彩文) ▷カチーナ人形